2013年6月7日金曜日

設計に対する責任とは

責任には二つの意味があります。

それは遂行責任と結果責任です。

結果責任を完全にとれる人など神様以外には存在しない。事の大小にもよるけれど、時間を
戻せない限り、起こってしまった事をもとに戻すことはできません。

フォローをして最善から次善にできれば上出来だが、穴隠し程度になってしまう事も多い。
そうなれば最終的には金で解決というしかなくなります。

だから、設計事務所は建築士賠償責任保険に入っていて「設計と監理」に関する瑕疵
に備えるし、工務店は瑕疵保証保険に入り「工事」に関する瑕疵に備えます。

しかし重要なのは、そうならないように仕事をする遂行責任になります。

遂行責任に重要な事は責任の分担と明確化です。

無限責任は無責任です。対象を無限に遂行することは人間にはできません。
できない事は引き受けられない。それを引き受けたらそこには責任はありません。

工事に関することは工務店が引受け、現場監督が「管理」という仕事をして現場を
運営する。それに関する遂行責任は現場監督という個人が引き受けます。

設計に関する事は建築家が引受け、「設計」に関する仕事をし「監理」という仕事で
現場のチェックや質疑応答を行います。

それぞれの遂行すべき仕事を明確にし、それぞれの仕事に責任を持つ。
重要な事は、細かい部分部分の仕事はそれぞれの職人が責任を持つが、全体を
見ることができるのは、現場監督と建築家だけです。

だから良い家を造るのにもっとも必要なのは、良い現場監督と良い建築家なのです。
良い現場監督は現場の遂行責任をより良く果たし、良い建築家は設計と監理に
関する遂行責任をより良く果たします。

監理についてはここから

国土交通省から告示という形で、設計と監理がどのような仕事をすべきが示されています。
国土交通省告示15号 (3ページから)


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